8月6日(日曜日)自悶自闘自忘自希  反核の日に

  • 2017.08.06 Sunday
  • 10:21

 

友人の石川晋さんから依頼され、書かせてもらった原稿です。沢山の著名な教育関係者の中で、場違いの感もありますが、こういう人間もいるんだということで読んでもらおうと思いました。転載します。購読も簡単なんで、読みたい方はどうぞ。

 

メールマガジン「教師教育を考える会」12号
2017年8月6日発行
http://www.mag2.com/m/0000158144.html

 

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 自悶自闘自忘自希
  名古屋市立小学校非常勤講師/学校マガジン『おそい・はやい・ひく
    い・たかい』(ジャパンマシニスト)編集人 岡崎 勝                               
http://www.mag2.com/m/0000158144.html
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第12号は、岡崎勝さん。学校マガジン『おそい・はやい・ひくい・た
かい』(ジャパンマシニスト)の編集人として、ラジカルな(しかしまっ
とうな)提案を長年にわたって続けてきた方です。すこぶる刺激的な原稿
を寄せてくださいました。 (石川 晋)
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小学校の教員生活を40年近くやってきて、現在65歳。いまさらならが、教員になったころとあまり問題意識も変わっていないし、何をみなさんにお話ししようか……と。今までの方に比べ格調は確実に低いと思う。要注意!

 

1)フリースクール立ち上げに参加して気づくこと
 

二年半前から近所にできたフリースクールに理事として参加している。今から20年前に愛知万博(2005年開催)に向けて高速道路を造ろうとい環境破壊計画が身近であった。行政の内部にそのことを教えてくれる人がいて、反対運動をすぐにはじめた。仲間と抗議活動、住民監査請求や裁判などいろいろしたが、現在、料金所予定地の土地トラストをしている。今のところ工事は止まっている。


それまで、いろいろと愛知県内で市民的あるいは教員的(勤務条件労働問題、管理主義教育反対など)活動をしていた。しかし、その高速道路反対“運動”がきっかけで、住んでいる自治会や地域で元気な友だちがたくさんできた。その友人の一人が立ち上げたのが、フリースクールだ。「アーレの樹」といい、アーレとは宝物(なぜかフィンランド語)という意味だそうだ。


午前中は名古屋市の小学校で、五六年生に理科を教えているので、週に一度くらいだが、子どもたちに「学習」をしてもらおうと、自作プリントや小道具を作って行く。物作りや実験などもするが、1年生から中2まであわせて5〜7人なので、学年にこだわらずにネタを探して持ち込んでいる。


ところが、フリースクールに行くことで、逆に、つくづく学校というところはいろんな意味ですごいなあと再確認することになった。とりあえず、学校という所は、子どもたちは時間が来れば集まり、年齢別に分割され、教科書を持ち、机にちゃんと座って待つということが「当たり前のこと」になっているというすごさだ。今までもそう思っていたが、フリースクールと比較して、つくづくすごいと実感した。


フリースクールへ行っても、こどもたちは別に私を歓迎してくれるわけではない。「この大人はセンセイなのだ」という、否定的なまなざしだけは感じるが、スタッフ以上ではない。何回か行けば、この大人は「何かおもしろいことをやってくれるらしい」ということは分かってくるので、「あ、岡崎センセイが来たぞ」という感じにはなる。


しかし、全員が学校のように授業に向き合うわけではない。半身になって一緒に学んだり、作業したり、考えたりするが、ふっと、「どうしてもやらなければいけませんか?」「いっしょにやらなければいけないの?」というので、別にいいんだよというと、さっと別のところへ移動する子もいるし、つかず離れずの子もいる。「もうちょっとやってみる」と言う子もいる。いろいろなのだ。帰るときには「また来てね」ととりあえずは言ってくれる。


そして、じっとゆっくり付き合ってくると、彼らなりに何かしたいとか、もっとエネルギーを発散したいとか、もっとおもしろいことに出会いたいという気持ちがあるということだけは分かってくる。しかしそれは、個別のようで集団的、集団のようで個別的な、なんともいえない、学校とは違う「予定調和」「計画」にはちょっとなじまない学びの中身と学び方(関わり方)があるのだなあと、ま、当たり前のことに気づく。しばらく、フリースクール子どもとじっくりとつきあってみるかと思う。

 

2)学校って本当にいいものですか?


これは、自分が1976年に管理職には絶対にならないと決意し教員になったときから、ずっと考えてきたし、今も、課題になっている。新任のころから、村田栄一さんの戦後教育論や、持田栄一さんの教育政策論、岡村達雄さんの公教育論、山本哲士さんの産業社会論に触れながら、毎日子どもたちと生活していると、どうしても学校にこだわりながら、そこが窮屈に思えていた。


新任の頃からいくつかの民間教育団体に参加しながら授業の改革なり、子どもたちによりよい授業を提起しようとそれなりに努力した。有名で優れた実践家や研究者に直接会いながらも、「学校はそんなにいいものなのでしょうか?」と自分なりのやり方で問いながら来たが、未だに答えは出ていない。斎藤喜博さんや竹内敏晴さんには、かなり叱られた。


新美南吉の作品は嫌いだけれど、「手袋を買いに」で最後に、母狐が「ほんとうに人間はいいものかしら」とつぶやく場面だけが好きで、「学校もほんとうにいいものかしら」と思う。(自分が小学校三年生の頃、「この母狐は、危険な町に子どもを行かせて、ひどい母狐だと思う。自分で買いに行くべきだ」と元気に意見を言って、担任にこっぴどく叱られた記憶がある。それに新美南吉は地元愛知の作家で、読むけど、キライである。教えるのは苦行以外でない。

 

「ごんぎつね」は最悪だと思っている(笑)。おとなしいと思っていた女子に「授業で、先生がごんぎつねがきらいだということがよくわかった」と言われて反省したことがある。)教育実践とか授業実践は、どこまでいっても終点はないということは分かっている。「子どもの目が輝いて」なんて話はどーでもいいのだが、とりあえず、子どもに迷惑をかけない実践をほそぼそと世界の片隅でやれればいいやと思ってきた。


若い頃、はしなくも講演したとき、「岡崎先生にとっての善い実践とはなんですか?」とのフロアーからの質問に「子どもが喜んで、教員がラクで、管理職が嫌がる実践です」と応えて、みんなに引かれたことがあるが、今でもそれはあまり変わっていない。最近は管理職が軟弱になってきたので、許されてしまうことがおおくなって、あまり嫌がらないので困る。あるいはこちらが軟弱になってきてしまったのか。

 

3)夏休みの短縮と部活で忙しいことについて


夏休みが短くなることに教員が声を大にして反対しないことに私は怒っている。教員は、自分の子ども時代の夏休みがよほど嫌だったのだろうか。「はやく学校で生き生きしたいな」と思って、夏休みを過ごしていたのだろうか?もしそうだとしたら、そいつらは地獄に堕ちろ(笑)と言いたい。


学校が休みということで、どれほどうれしくわくわくしたことか。今だって、「明日の暴風警報六時まで頑張れ!」と黒板に書いて帰って行く子がいるぞ。そんな思いしかない私は、夏休み短縮(しかも授業時数がどーたらこたら)に声を上げない教員は、子どもの幸せとか笑顔で語って欲しくない。


夏休みが長くなれば、親が面倒くさくなるのは決まっている。それは親が工夫して、なんとかしろよ!と思う。いやいや、それは親のフツーの仕事でしょ。夏休みなんてホントにめんどくさいよ。お昼ご飯も用意しなくちゃいけないし、家でゴロゴロしていたりするし、宿題も手伝うの大変だし、そのくせ家の手伝いはなかなかしないし……でも、親子バトルがあってこそ、それが親子の正しい姿じゃないのか?!


なんで夏休みの親子の問題や家庭の問題を学校が引き受けるのだ。夏休みの宿題なんて二学期に見なくちゃ行けないし、子どもも大変だから出さなくていいんだよ。夏休みがあったから、子どもは、「ああ、明日から二学期だけど、しょうがないからがんばるか」と言って九月に学校に来てくれるんだろうと思う。もちろん諸事情でどうしても夏休み面倒見られない親子は「要相談」でいい。例外はどこにでもある。


親が子どもの面倒を見られないから学校に預けておけば安心というのは、夏休み以外の話である。私は「学校託児所論」を主張してきたが、のべつまくなし出校のような「学校刑務所論」は主張しない。休みの日と夜は子どもを家へ返せ!ということだ。「休日の喜び」は働く者(子どもも含む)の命だ。


さてブラック部活について。ブラックかピンクは別として、基本的な原則は、「部活は趣味でしかない」である。「暇な子どもが、暇な教員と、公的施設を慎ましく使わせてもらってする趣味活動」というのが、私の部活の定義だ。強くなりたい、いい成績を残したいと思うのは子どもも先生も自由だから、そういうクラブを学校の外に自分たちで作ればいいのだ。外部指導員なんか、指導は外部指導員、責任は教員の最悪ケースだ。外部部活なら許す。


内田良さんは正しい。内田さんは研究者として優れているので、はっきりしていてよいのだ。金髪もうれしい。話せば普通の良識ある人です、私が保障します。


だが、私は、部活は趣味同好会以上でもそれ以下でもないと思う。趣味の山登りやクイズ同好会と同じだ。趣味は自由だ。そこに教育的意義を見いだしてもいいけど、押しつけるな、普遍化するな、控えめにしろ……である。


部活に参加する子どもたちの中にイヤぁーな同調圧力が見えたら、部活は即中止。また、教員の指導顧問を全員に押しつけるような同調圧力があったら即中止が断然正しい。


教員が職員会で「私は部活指導をしません。書記、記録お願いします」で大抵は部活指導顧問はやらなくてすむ。「どうしてもやらせたいなら職務命令を文書できちんと出してください」でいい。


万が一職務命令出されたら「勤務時間終了時刻までやりますが、あとは管理職でお願いします」でいい。部活で時間外勤務命令は違法だから出せない。私はそうやってきた。「正しいと思うなら、みんなのいるところではっきりいいなさい」と子どもに指導している教員なら大丈夫、言えます。

 

4)『お・は』読んでください、あるいは、側においてください。


私は20年くらい『おそい・はやい・ひくい・たかい』(ジャパンマシニスト社刊)の編集人をしてきました。来年100号になります。隔月とか季刊でやってきました。今は季刊です。最新号98号は8月下旬です。
http://www.japama.jp/cgi-bin/oha/ohaBN.cgi


あと、本や雑誌に色々書いてきました。残念ながら現在、ホームページは消失してしまいました。ブログは二つですが、不定期なのでごめんなさい。暇な人や興味のある人はのぞいてください。(告知専用のFBもあります。)
http://masaruokazaki.jugem.jp/

http://okazaki-oha.jugem.jp/

です。


8月25日発刊「9月臨時増刊号 総特集=かこさとし」(『現代思想』)に「『どろぼうがっこう』という学校異化」を書きました。


「なぜ学校は必要なんですか?」と子どもに聞かれて、わたしは「難しくてわからない。ゴメンナサイ。そういう質問は頭のいい人に聞きなさい」ととりあえず謝罪的に応えることにしています。なぜかというと、それは質問ではなく、私にとっては子どもからの糾弾だからです。ただ、いくつになっても勉強ですね。

 

みなさんから、学びたいと思います。どうぞよろしくお願いします。クソ真夏の中、福島から保養に来ている子どもたちとまったり過ごしながら書きました。


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部活動についての考え方、夏休み短縮に関する議論、大変共感を持って読みました。8月6日は広島原爆が落とされた日。この日に、学校教育の現在地を丁寧に疑っていくことから、次の新しい教育を考えていくために、岡崎さんの語りに静かに耳を傾けたい、そう思います。部活動に関していえば…岡崎さんは、体育教師です。体育の教師が丁寧に語る部活動趣味論、みなさんどう読み、どう考えますか? 当たり前にある現実・現状を、丁寧に考え直しすることなしに、ここからの教員の像を結ぶことはできないと私は考えます。

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メールマガジン「教師教育を考える会」
12号(読者数2391)2017年8月6日発行
編集長:石川晋(zvn06113@nifty.com)
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(まぐまぐ:教師教育を考える会)

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